HISTORY 私たちのあゆみ

1907

「グロッセ」は1907年、ドイツの宝飾都市フォルツハイムで誕生。
愛する人の髪を編み込み、特殊なメタルを施したファッショナブルな時計チェーンが、戦地に赴く若者の間で人気に。ドイツはもちろんヨーロッパ中で流行し、遠くはアジアのインドまでその流行が伝わった。

1920-30年代

1918年、第一次世界大戦が終戦を迎え、女性が解放され社会進出する時代が到来。コスチュームジュエリーは宝飾品の模造品という位置からファッションを完結させるための重要な要素に。
グロッセは、アールデコの草分け的存在となり、数々のアールデコ・ジュエリーを製作し注目される。また、シャネル、ランバン、スキャパレリなどオートクチュール全盛期の人気デザイナーに注目され、彼らのためのコスチュームジュエリーを製作した。

1937

1937年にパリ万博「Universelle des Arts et Techniques(近代生活における技術と芸術国際博覧)」が開催され、グロッセは、コスチュームジュエリーの技術とデザインの両部門で最高賞の名誉メダルを受賞。銀幕の女優たちの間で人気となり、マレーネ・ディートリッヒがニューヨークにあったグロッセの倉庫の在庫を全て買い取り、当時大きな話題に。

1930年代後半

第二次世界大戦の影響で物資が不足していた時代。「Make do and mend」買わずにあるものを有効に使うことが提唱される中、女性たちはコスチュームジュエリーでファッションに変化をつけた。グロッセは資源不足の中、「すべての人に夢ときらめきを」という創業理念を貫き、工業用のボールや管を使いジュエリーをつくり続けた。それは「美こそ世界平和につながる」と信じての果敢な挑戦であった。

戦後

1945年、第二次世界大戦の終結間際、グロッセの工場があるフォルツハイムの街が大空襲にあい、街のほとんどが壊滅状態となり、グロッセの工場も全壊。全てを焼失してもジュエリー作りにかける情熱は消えることはなく、瓦礫の中からメタルや機械類を掘り起こし、ジュエリー作りを再開。女性が美しく着飾ることができる平和な世の中が続くよう祈念して数々のジュエリーが制作された。

1950年代

ニュールックで一世を風靡したクリスチャン・ディオール氏が、優美で女性らしい8ラインをはじめHライン、Aラインなど、次々に新しいラインを打ちだし、エレガンス全盛期となる。1955年、クリスチャン・ディオール氏からオファーを受けパートナーシップを締結。以後50年に渡ってグロッセは、クリスチャン・ディオール ビジューの制作を担い、またその世界的販売権を有し、数々の名作を世に送り出した。ディオールの歴史の中でもこのような長い期間のライセンス協力は他に例を見ない。

ファッションはオートクチュールからプレタポルテの時代を迎え、ファッションの大衆化が進行したが、グロッセはそれに迎合せず、独自のラインを守り、セレブリティのためのクリエーションを続けた。巧みなメタルワークで、コスチュームジュエリーでありながら宝飾品さながらと評価を受け、アメリカに2つ目の拠点を設けるなど、セレブリティビジネスが繁栄していった。

1960年代

1970年代

若者が文化・ファッションなど社会の主流となり、フォークロアやパンタロンなど、ファッションが多様化へ。宇宙旅行にインスパイアされたクレージュやパコ・ラバンヌの影響を受け、1970年代初めにはグロッセも大胆なコスチュームジュエリーを発表。1973年のオイルショックにより、経済が混乱し景気が悪化して、コスチュームジュエリーがファインジュエリーに取って代わった。1970年代後半は、ファッションブランドが活気づき、創造性あふれるDCブランドが人気を集めた。

コミュニズムやベルリンの壁が崩壊し、急速な経済成長を遂げる中で、資本主義が繁栄。女性たちが、肩パットの入った服を身に着け、自立しキャリアを積み、強さを身に着けた時代。男性の所有物としての女性の象徴であるファインジュエリーをやめ、自由とファンタジーのあるコスチュームジュエリーを選択。1980年代はコスチュームジュエリーの黄金期となり、フォーマルから、仕事、プライベートまで、あらゆる場面で受け入れられた。

1980年代

1990年代

ファッションのグローバル化が進んだ時代。脱構築とミニマリズムがアバンギャルドなファッションの特徴となり、Tシャツやデニムといったストリートファッションが好まれる一方、ラグジュアリーブランドが独自の高品質なデザインを発表。多様性が特徴となる。個性的でないマス・ファッションがかつてないほどの早さで市場に投入され、コスチュームジュエリーが個性を表現するために重要性を増した。

カジュアルとドレッシー、ロックとフォークロアなど、テイストの異なる服を織り交ぜて着る「ミックスファッション」の時代。グロッセは、デザイン力と技術力を生かして、セレブリティやデザイナーとのコラボレーションで新しい価値を創造。グラミー賞の公式ギフトラウンジに、2011年、2017年、2018年、2019年、2020年、2022年、2023年、2024年と採用され、世界的アーティストやセレブリティの間で人気を博す。創立以来セレブリティに愛されてきたグロッセの歴史は脈々と続いている。

2000年代